ベジタブルキッチン サンテ/宇都宮市にある野菜中心のレストラン

February 28, 2010 10:39 PM

益子GEFの熊猫通信

サンテのが野菜を仕入れている農家さん、

「益子GEF」のお野菜と一緒に届く通信紙

「熊猫通信」というものがあります。

この通信紙を毎週楽しみにしているのですが

今週の通信を皆様に見て頂きたく、

掲載させていただきます。

 

(GEF通信)http://kumaneko.eyasai.com/2010/201002_4.html

先週末、ひさびさに太陽が顔を出して、春めいた陽気になりました。ただ、陽光は春色をしていても、風はまだまだ真冬の冷たさ。今週はどうなりますか。そろそろ気温も春めいてほしいものです。

先週、青山さんの畑に押し寄せたヒヨドリが話題になりましたが、その後日談です。

二・三日で青菜を食べつくしたヒヨドリは、現れたとき同様、忽然と姿を消してしまったそうですが、かれらが去った跡を見た青山さん、がっかりするどころか感動した様子でもどってきました。ほうれん草は全滅と諦めていたのが、食べられていたのは外葉だけ。中央部のやわらかいところは無傷だったというのです。

キャベツやブロッコリーもどうなることかと思いましたが、多少の傷はあっても希望の光が射してきました。ほうれん草も地温が上がれば復活するでしょう。ほっとすると同時に、青山さん、恥ずかしいような申しわけないような、いたたまれない気持ちになったそうです。

害獣・害鳥・害虫と「害」を頭につけられる生きものはたくさんいますが、環境を根こそぎ破壊するような生物は「おれの知るかぎり、人間だけ」だからで、頭のてっぺんから足の先まで「害」みたいな「おれたち」がわが物顔で地面をいじくりまわしている。それがもう、顔から火が出るほど恥ずかしかったというんですね。

わかります。おっしゃる通りです。罪深い人間は、害獣・害鳥・害虫の食べ残しを食べていればいいのかもしれない。好子さんはなにもいいませんが、はじめから倍量の種を畑に蒔いています。半分は虫のため、というのが彼女の農法で、こうしておけば野菜の全滅は避けられるから・・・。逆に農薬なんか散布するほうが、やられるときは徹底的にやられる、というのがわかっているんです。

不経済な農法と思われるかもしれませんが、高価な農薬を買うのと倍量の種を買うのでは、むしろ後者のほうが安上がりなんですね。自分の畑で作ったものは全部自分のもの、などと思わず、自然界の源泉徴収をすんなり受け入れる。できる野菜は不揃いですし、季節によっては種類も乏しくなりますが、それもしかたのないこと。無駄な抵抗は野菜にも負担をかけることになるからです。

人体も自然の一部ですから、いくら外観がきれいでも、野菜が周囲に対して不寛容であれば、人の体内でも滋養にはなれません。人体にやさしいものは、虫や鳥にもやさしいのがあたりまえ。やさしいけれど、守るべきところはちゃんと自衛しているのです。

これが農薬や化学肥料で自然から切り離されて生長すると、今回のようなヒヨドリの集団に対しても、ここまでは食べてもいい、でも、ここからはダメと自己主張することができないのです。だから農薬に対してどんどん耐性をつけてゆく虫にも対処できず、さらに毒性の強い薬品に頼るという悪循環を生み出すことにもなるんですね。

自然界から収奪するだけでなく、ちゃんとお返しも計算に入れておかないと、自分の首をしめることになる。これは農業だけの問題ではないと思います。人類全体がもっと寛容にならないと、百年もたたないうちに、海も陸地も生物が生息できないほど荒廃してしまいかねませんものね。